理容師・美容師の仕事を見れば、必ず自分の理想の理美容師になる事が出来ます!

【新世代美容師】自分でしかできない事を探しにいく。高塩貴史さんをインタビュー

高塩貴史 takashio takafumi

1999年5月15日生まれ。東京都出身。二松学舎大学経営学部卒、東京総合美容専門学校通信科卒、表参道の美容室Lilyにて週2日美容師。スキンケア商品の開発、美容室のコンサルティング、SNSの運用アドバイス、美容学生へのセミナー講師、ボランティア活動など幅広く活躍。

美容師になろうと思ったきっかけ

小学生の頃野球に夢中で独学で練習に明け暮れていました。そして、将来は絶対プロ野球選手になるんだ!と張り切っていましたが、健康上の理由で激しい運動が出来なくなってしまいました。そして情熱を失いかけた時、新たに「美容師になる!」という夢を見つけました。中学生の時に担当してくれていた美容師さんを「かっこいいなあ」と思い憧れた事がきっかけです。

自分で道を作ると決意

「美容師になろう!」と中学3年生の時に決意。しかし自分で美容師について調べてみたら、給料が安いとか仕事がキツイとか離職が多いとかネガティヴな情報ばかり・・。ならば、自分が新しい美容師像を作り出そう、自分で美容業界を変えて行こう、と決心しました。また売れる美容師になる為に「普通に高校生活を送り、美容専門学校へ入学し、アシスタントになり、スタイリストになり、店長になり・・」と言う「一般的な道」ではない「自分ならではの道」を作り挑戦して行こうと考えました。

高校1年生からヘアメイク&セミナー活動を開始

そこで中学3年生の時に計画を立て、高校1年生から早速活動を開始しました。

まずはSNSを通じて美容関係の人たちとの交流を築き始めました。具体的にはTwitterでヘアショーなどを手がける団体に「ギャラはいらないので経験としてやらせてください」とダイレクトメッセージを送りました。技術は中学3年生の時からヘアセットのコミュニティーに入り、自分でセットした写真を投稿して「上手いね!」などど評価をいただいていました。あとはひたすらYouTubeの動画を見るなどして独学でヘアメイクを学びました。そして僕の事を知っていただける人が増えてヘアショーのバックステージに立つ事ができました。(1年生より後楽園ホールでのヘアショー活動、2年生でZeppTokyoのヘアメイク活動、3年生時にはZepp Diver city tokyoで1000人規模のステージに最年少で舞台に上がりました)

高校2年生になると、自分の想いを誰かに伝えたいと思いセミナー活動を開始しました。自らを「史上初の高校生セミナー師」と名乗り、自己啓発系の内容や美容業界への想いを話させて頂きました。有料にも関わらずSNSで繋がった高校生や美容学生のみんなが集まってくれるようになりました。
そして全国的に僕の事を知る人が増えて、メディアから取材を申し込まれる機会も増えていきました。

高校生としての勉強や部活も頑張る

一方、高校生活ですが、しっかりやるべき事はやっていました。進学校でしたし美容師を目指す生徒はいません。「美容師になるんだから勉強しないでいいや」とは思わず、「美容師になるからこそ、やるべき事はやり、先生からも応援される状況を作ろう」と思いました。そして勉強も部活も頑張り、勉強は学年トップ10以内、部活もテニス部の副部長を務めていました。その上でヘアメイクなどの学校外での活動を報告し、先生にも認めていただいていました。

トリプルワーカーとしての道を選ぶ

そして高校3年生の6月に表参道のLilyという有名サロンにスカウトされ、インターン生として働くようになりました。高校卒業後はLilyでのインターンを続けながら大学の経営学部へ進学、同時に美容師免許を取得する為に美容専門学校の通信課程へ入学しました。大学では知識と人脈を増やし、技術と接客だけでなく高い人間力のある美容師になりたいと思ったからです。そして、大学生、美容学生、美容室インターン生としての3足のワラジを履き、誰もやった事のないであろうトリプルワーカーとしての人生がスタートしました。

トリプルワーカーとしての苦悩

トリプルワーカーの時代は辛い事もありました。休みが殆ど取れなかったですし、さすがにキツく感じる事もあり、本当に美容師免許が取れるのだろうか、と不安になる事もありました。そしてその気持ちを正直にSNSで吐露したところ不安自慢とか言われバッシングに合ったり。。しかし、僕は生き様を見せる事が僕の生き方。自分のブランディングに繋がると考えていました。

思えば、ヘアセットの投稿をしていた中学3年生の頃も「あいつ何やってるんだ、くだらない事して」みたいな事を言われた事がありました。当時は傷つきましたが「こちらは将来の為にやっているんだ」と思い、そういう陰口を言う人は片っ端からブロックしました(笑)

国家資格を取得し晴れて美容師に

苦難を経て、無事に美容師国家資格を取得しました。めちゃくちゃ嬉しかったですね。そして、その1年後に大学も無事卒業しました。1年間だけ「大学生美容師」として働いていましたのでその期間は貴重だったと思います。インターン生として培った経験に国家資格という武器を得て、メキメキ美容師として成長しました。僕を育ててくださったLilyのオーナー初め先輩スタイリストの皆さんには本当に感謝しています。僕は髪質改善を得意とし、リピーターのお客様が増えて行きました。

しかし、僕はこのまま美容師だけとして生きるのではなく、美容師以外の仕事に挑戦する道に進み、またしても誰も歩いた事のない道を自分で切り拓く事にしました。

本当に人と同じことをする事が嫌いな性格で、人がやる事の逆張りに進みたくなります(笑)

コンサルタントを始めた理由

美容師の経験を積むと独立へ進む事が一般的ですが、僕はそう考えませんでした。僕が働いている表参道は美容室の数が多く激戦区です。全国的にも美容室の数が増え続けているといいます。しかし、日本は人口減少、少子化に進んでいます。この状況で店を出す事はリスクが伴います。それよりも今あるサロンを輝かせて、いい人材を獲得し、その人材がしっかり育って給料が上がるとか幸せな家庭を築けたりとか、その未来をお手伝いした方が美容業界の価値が上がるのではないかと考えました。

また、美容師になると売上を上げるという目標に向かって頑張るようになります。それを否定するつもり全くありませんが、僕はそうなりたくなかった。美容師として働く日数を減らして他の事業で収入を得るようにしたいと考えました。果たしてできるのか、恐怖もありましたが、誰もやっていない事に挑戦する事が僕の生き方です。だからコンサルタントという道を選びました。大学で経営やマーケティングを学んだ事もその為の準備でした。

同時に始めたボランティア活動

また美容師以外の時間を使って養護施設にボランティアカットに行ったり、引きこもりの大学生に講演活動も行っています。引きこもりの大学生にヘアセットのやり方など実演を見せるとすごく反応が良いです。講演のあとで先生から「◯◯さんが初めて高塩さんに自分の髪の毛をセットしてもらって気分が上がり、いろんな人に どう?どう?みたいな事を言っているんですよ」と聞いた時に「この活動はやって良かった!」と思いました。自分の美容技術で変身して前向きな気分になってくれたらとてもやりがいがありますし、もし美容師の仕事に関心を持ってくれたらこんなに嬉しい事はありません。ボランティアで使う時間はすごく大事に思っていて、今後もそこに時間を費やして行きたいと思います。

若いというだけで価値

少子高齢化の日本では若いというだけで価値があります。色々な事をやっちゃっていいんです。応援してくれる大人もたくさんいます。僕もたくさんの大人に応援してもらって来ました。高校生の頃から人脈を増やしたいと考えていたので、知識もコミュニケーション能力もなかったですが、本を読んで知識を増やしたり、自分の活動を発信して人を紹介していただいたり、そんな風にして色々な大人と繋がって行きました。それが本当に財産になっています。企業は中高校生に代表されるZ世代に向けてやりたいサービスはたくさんあります。中高校生だからこそできる事があり、必ずチャンスがあります。早めにやるに越した事はないし、その時思った事をまずやってみましょう。

情報を調べ過ぎない事

僕が中高校生の頃に比べるとSNSの影響は増すばかり。情報は良い点もあれば悪い点もあります。これをやろうかな、と思った時に誰もが調べると思います。しかし、調べれば調べるほど、良くないことの方が多いと思います。挑戦にはリスクは付きものです。例えば起業したい時に借金するとして、借金返せなかったらどうしよう・・とか。どんどんネガティブな方に思考は行きがちです。調べ始めたらキリがないので、だったら知らない方がいい。無知は力になります。まずは目の前の事だけみていればいいのではないかと思います。僕自身は人が傷つかなければ何をやってもいいと思い、勢いだけでやっている節もあります。大人から見たら荒削りに見えるかもしれないけど、そんな事は気にしなければいい。

自分でしかできない事を探しに行く

普通みんなが当たり前だよね、という事をやらずに行くっていうのが自分の生き方。高校生からヘアメイク活動を始めたり、トリプルワーカーの道を選んだり、美容師以外に色々な事に挑戦したり。これからも「自分でないとできない事」を探して活動して行きたいと思います。「30歳になったら何をしていますか?」と質問される事も多いですが、今以上に美容業界に恩返ししていくようサポートできる側に回りたいと思います。10代はとにかく自分が目立つ活動をして応援していただいて来ました。今度は自分が目立つというよりは美容業界の価値向上のために、頑張る人を応援し支える側に立ちたいと思います。

誰と働きどんなスキルを得たいのか

中高校生の皆さん、美容学生の皆さん、社会人としてやがて働く事になります。職業や会社を選択する際には「誰と働きどんなスキルを得たいのか」を考えていただくと良いと思います。美容業界でも条件がいい会社が増えていくでしょう。シェアサロンのように売上の80%を収入として支払ってくれる所もあります。しかし、条件で選択してしまうと金銭だけの価値になってしまいます。お金ではなく、誰と働いてどういうスキルや学びを得たいのか。得たスキルや学びで最終的には何倍もの収入になって自分に返ってくると思います。そちらの方が大事ではないかと思います。

学生時代にやった方がいいこと

最後に美容師を目指す人に向けて、学生時代にやっておくと社会に出てから役立つ事をお話ししたいと思います。

1、美容師以外の人脈を作る事。

2、SNSをガチにやる事。

3、お困り事を探す事。

美容師の仕事も、美容師でない仕事も、仕事とは、人のお困り事を解決する為に存在しています。どんな些細な事でも良いので困っている事を見つける事、困っている人を助ける事を習慣化すると良い社会人になれると思います。

「苦あれば楽あり」

僕は子供の頃から祖父母と多くの時間を過ごして来ました。寿司職人だった祖父が「人生は苦あれば楽あり」と教えてくれて、その言葉が僕の原動力になっています。今までも、そしてこれからも苦労はたくさんするでしょう。しかし「美容業界を良くしたい」という人生の目的にが向かって突き進んで行きたいと思います。

店舗情報

Lily(高塩さんが週2日美容師として働くサロン)

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目15−11
https://beauty-architect.com/lily/

高塩さんのInstagram▶︎https://www.instagram.com/taka5557/?hl=ja

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