就職活動で気になるポイントに「福利厚生」があります。福利厚生と一言で言っても内容は多岐にわたります。ここでは福利厚生の種類とその内容について説明していきます。
福利厚生とは
福利厚生とは、給与や賞与など賃金以外とは別に、企業が従業員とその家族に提供する健康や生活へのサービスのことです。 具体的には、社会保険など、法律で決められた「法定福利厚生」、住宅手当、レジャー施設の割引制度、特別休暇など、企業が独自にもうける「法定外福利厚生」の2種類があります。後者は企業によっては独自性の高い福利厚生を提供しているところもあります。
社会保険について
法定福利厚生の代表が社会保険です。社会保険とは、病気やケガなどのリスクに備えて、私たちの生活を保障する公的保険です。企業などで働く従業員にとって関係がある社会保険は、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つです。介護保険は40歳以上になると義務付けられる保険の為、新卒の場合、会社の求人票を見ると「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の4つが書かれているケースが多いです。
では1つ1つ見ていきましょう。
健康保険
健康保険証でお馴染みですが、業務外で病気やケガをしたときなどに保障される医療保険のことです。病院などで本人が医療費を負担する割合は年齢によって異なりますが、原則は3割です(※)。残りの7割は、全国健康保険協会または健康保険組合といった保険者による支払いがあります。※小学校入学までは2割負担。70~74歳は、2割~3割負担、75歳以上は、1割~2割負担(所得による)
厚生年金保険
従業員や公務員が年金として受け取れる公的年金のことです。少子高齢化となり年金制度の見直しはよくニュースでも取り上げられています。20歳以上の国民は全員、国民年金保険と呼ばれる公的年金制度に加入することになっていますが、企業に勤務している従業員や公務員は、厚生年金保険料を支払います。なお、厚生年金保険料には国民年金保険料も含まれています。そして、原則65歳になると国民年金と併せて、老齢厚生年金として給付されます。
介護保険
被保険者に介護が必要と認定されたとき、介護サービスを受けられる保険です。40歳になると介護保険への加入が義務となっています。
雇用保険
失業や休業したときでも労働者が安心して暮らせるよう、給付金の支給や就職活動の支援をする制度です。
労災保険
労働が原因で従業員がケガをしたり、病気になったりしたときのための保険です。また、身体に一定の障害が残ったり、死亡したりといった重大な問題が起きた際の年金給付制度などもあります。
※労働者災害補償保険」が正式な名称です。雇用保険と合わせて「労働保険」と呼ばれる場合もあります。
以上の5つの他に、法定福利厚生として<子ども・子育て拠出金>があります。こちらは児童手当や仕事と子育の両立支援事業に充てられる税金のことで、企業が全額負担しています。
また、社会保険に加入する事により、年次産前産後休業、出生時育児休業、育児休業、介護休業、健康診断などの手当が受けられます。
会社が独自にもうける福利厚生
次に企業が独自にもうける法定外福利厚生についてみていきましょう。
住宅、健康・医療、慶弔・災害、育児・介護、自己啓発、レクレーション、財産形成、などに分けられます。
求人票で良く見かける代表的な法定外福利厚生としては、住宅手当(家賃補助)や通勤手当、家族手当の支給、健康診断補助などが挙げられます。 その他に、社員食堂やフィットネスジム、託児施設の利用、結婚祝い金・出産祝い金の支給、忘年会・新年会の費用負担、資格取得費用や講習会参加費の負担、社員旅行やクラブ活動などがあります。
近年ではユニークな福利厚生として「推し休暇」「失恋休暇」「親孝行支援制度」などがあります。
以上、福利厚生について説明させていただきました。福利厚生は安心して働くために必要な制度である事をご理解いただけたと思います。